第3章

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「俺も、千夏しかいらない…。千夏だけが欲しい…。何時だって、千夏の事しか俺の頭には無い……」  朔一の心臓の音が、その言葉を事実だと告げてくる。 「朔一……っ…ん」  急に朔一に顎を掴まれて上を向けさせられた。 「サぁ…ク…、ん…っ」  そして、初めてのキスとは違うもっと深くて求めるようなキスをされた。  こんなキスを何時の間にか朔一は身に付けていた事に、俺は腹が立った。  仕方ないと分かってはいても、やはり辛い。  俺は負けじと自分の舌を朔一の口腔に深くねじ込む。  朔一がして来るように俺も真似る。  この三年間で、朔一は色んな女とキスをして来た。  その女とのキスは、一度しかした事が無い俺よりも上手いだろう。  でも、俺だって下手は下手なりに頑張れる。  朔一が求めるようにキスをして来れば俺はそれだけで勝った気分にさせられる。
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