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そんなある日、たまにはIの方にもUとの話を聞かせて貰おうと思い、同じシフトの日に声を掛けました。
しかしその話の内容は、私の想像とは真逆のものでした。
「あの人ほんまにウザいねんけど、どうにかしてくれへん?」
Iは心底困った様子で私にそう訴えてきました。
Iの話によると、毎日毎日メールが来て、その内容の殆どが私の事だったそうです。
そしてそれらの話の流れで、私がIに想いを寄せている事に気付いてしまったらしく、また執拗に細かい情報を聞くようになったそうです。
最後に目を疑ったのが、
『日にちは不定期ですが、◯時ちょっと過ぎくらいに××に行くと多神さんに会えるので、毎日それくらいの時間にそこで待ってるのが私の楽しみなんですよ』
といった内容のメールを見せられた時です。
実はUは、たまたま私と同じ時間帯に店にいたのではなく、私が来るのを毎日待ち伏せていたそうです。
今度会ったらちゃんと言おうと、私はいつも通りの時間に行くと、案の定Uはそこにいました。
そしてハッキリ伝えました。
「お願いやから、Iと絡むの辞めたって」
それに対しUの答えはなく、
「私…多神さんの事がずっと好きでした」
突然告られてしまいました。
当時私はIの事しか考えられなかったので、それを断ると、Uは無言のまま立ち去ってしまいました。
"これで少しは落ち着くかな…"
この時はそう思い、フッと短く溜め息を漏らしました。
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