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それから数日後、私が肝試しにいったという話を聞き付けた後輩のKとI、そして先輩のAさんが、
「なんで誘ってくれなかったんすか」
「もっといい場所知ってんで」
また別の心霊スポットへ行きたいと言い出し、私達四人含む計七人でまた仕事終わりの深夜に行く事になりました。
私達が訪れた場所は、とある山の麓で車を降りた後、木の枝を掻き分けながら進む完全な獣道で、更にその奥の柵を乗り越えるとようやく広場へと出ました。
また更に奥へと進むと、その先には廃墟と化した小さなホテルのような建物がありました。
その建物は、何年も前から放置されているといった様子で酷く廃れており、壁のあちこちに苔やカビが生えており、一部壁も破損していました。
所々床も抜け落ちており、七人は固まって慎重に進み、一階は全て見回りましたが、特に変わった箇所はありませんでした。
そんな中、二階へ続く階段を見付けると、
「それじゃ、上には全員じゃなくて少人数で行きましょうよ」
Iの提案で、順番に行く事にしました。
ジャンケンの結果、私はMと二人で一番に行く事になり、残り五人は階段手前で待つ事になりました。
最初という事で緊張しながら私とMは恐る恐る二階の部屋を、床が抜け落ちた部屋を除き全て見回り、更に三階、屋上へと順に見回りましたが、特に変わった事はありませんでした。
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