『ありがとうございました!』

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深夜のアイドルタイムだけでなく、夜の飯時の時間にも不思議な事がありました。 私の持ち場は視界が悪く、客席に目を向けても3番4番テーブルと、その手前の狭い通路しか見えません。 それでも私は、その通路をお客さんが通った場合は、 「ありがとうございました!!」 と、声を張ります。 そんなある日、いつものように声を張ってそう叫ぶと、パートの人がレジへ先回りして待ち構えました。 しかし、何故かそこにお客さんは現れません。 私が見ていた3番4番テーブル手前の通路は、そこより奥の客席からレジへ向かう際には必ず通る道であり、そこを誰かが通ったという事は必ずレジへ誰かがやってきます。 例外として、奥のトイレから3番席に戻る場合のみそう見える事もありますが、その時は3番も4番も空席でした。 その時は、冗談交じりに「しっかりしてよー!」と叱られました。 それから数日後、私はまたそこに人影を見て声を出し、またしてもレジに誰も来ない……そんな事がほんの数ヶ月の間に計3回ありました。 因みに私が見た人影は、決まって黒くて長い髪で白い服を着た女性でした。 後で聞いて知った話ですが、この店はオープンする前、小さな診療所だったそうです。
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