20人が本棚に入れています
本棚に追加
「私、頑張りますね」
そう言ってUは、再度一礼し、急ぎ足で帰って行きました。
私も、突然そんな事を言われて不思議に思いながらも、自転車に跨がって帰りました。
その翌月、私は高校を中退し、Uと共に働いていたバイトも辞めました。
この時、Uにはろくに別れの挨拶はしませんでした。
それから数年後、私が二十歳くらいになる頃です。
偶然にも、近くのスーパーでUと再会し、声を掛けられました。
そのまま成り行きで近くの店へ行き、少し話を聞きました。
当時の店でまだ働いているようで、もう大分成長出来ているようで少し安心しました。
更に、暗い印象だった当時よりも少し明るくなった様子で、不意に可愛いと思ってしまいました。
この時私は違う店で仕事をしていたのですが、偶然にもUはその時の後輩と某SNSで友達だったみたいです。
その後輩は、当時私が気になっていたIです。
その時は軽く懐かしい話で盛り上がっただけで、一時間もしない内に私は先に席を立ちました。
それから数日後、またしても同じ場所でUと再会しました。
その時は、本人曰く仲良しらしいIとの話ばかりを嬉しそうに語り、私はそれを楽しそうに聞いていました。
それからまた数日後、また同じ場所で再会し、また同じようにIとの楽しい話を聞いていました。
それからまた数日後も、またその数日後も、いつも決まって同じ場所で何度も再会しました。
この時は、お互いが店に行く時間帯がたまたま被っている程度の認識でした。
最初のコメントを投稿しよう!