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初めての二人だけじゃないクリスマス。
蘭丸は最初、テーブルに並ぶ料理を見て子供らしく目を輝かせていたが、いざ食べるとなると遠慮してしまい箸を動かす手が止まっていた。
そんな蘭丸を見て朔一が動いた。
「どーした? 腹減ってるだろ? 千夏先生の料理は世界一上手いんだぞ。沢山食え」
朔一はそう言って、遠慮した蘭丸の皿に食べ切れ無いくらいに料理を盛った。
蘭丸は最初戸惑っていたが、朔一の言う事は聞くので、皿に盛った料理をパクパクと口に運んでいった。
俺は今まで手料理を朔一以外に食べさせた事が無かった。
だから蘭丸が口に運ぶまでドキドキしていた。
「美味しいか?」
俺がそう言うと、蘭丸はコクリと頷いた。
「おい…しい…」
そう言う蘭丸の目から大きな雫が垂れた。
「ヴ……っ、おれ…っおれ…」
蘭丸は箸を置いて泣き始めた。
俺はその姿を見て蘭丸の左隣に行き、頭と背中を交互に摩った。
「どうした?」
「なぁ君に……っ、会いたい……」
俺が優しく聞くと、蘭丸の口からクラスや学校では聞いた事がない愛称が出た。
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