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「その恋人とは…どうなったの……?」
蘭丸は朔一に聞いた。
朔一は蘭丸の頭を撫でながら言った。
「幸せに、一緒に暮らしてるよ」
蘭丸はそれを聞いて俺の顔を見た。
俺の顔が赤いのを見て悟ったようだ。
俺はもう、諦める事にした。
自分がここで否定したら、朔一にも蘭丸にも悪い。
教師として、朔一の恋人として、俺は胸を張って言うしかないと思った。
「幸せ…だ……」
照れて声が小さくなった。
「やっぱり、咲君の恋人は先生なんだ。俺、なんとなく分かってた」
蘭丸は俺のプライベートを知れて嬉しかったのか、急に俺に詰め寄った。
「納得した」
そう言って、蘭丸は俺から朔一に顔を移した。
「……咲君って、面食いだね」
蘭丸が朔一を見てにやにやと笑った。
「先生って、学校で他の先生や生徒にも人気なんだよ。クラスの奴がいっつもウットリしてるし、クラスで何も問題が起きないのは先生に嫌われたくないからって言ってたし」
俺は初耳な話しに更に顔を赤くした。
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