第2章

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 今日は25日。クリスマス当日。  学校も冬休みに入ったので、俺は毎日掃除や洗濯と主婦仕事をしていた。  主婦仕事は好きなので、俺は買い物に行けば気になった商品を買っては試している。  料理も上手くなった。  朔一が撮影やグルメ番組に出ると外食が多くなるので、それでは駄目だと思い、一緒に過ごす事になってからは俺が朔一の健康管理をするようになった。  今では本を見なくても自己流で作る事が出来きて、朔一もそんな俺の手料理を楽しみにしてくれていた。 「18時かぁー。もう少しで帰ってくるかな」  今日は午前中に蘭丸も出ているあのドラマの撮影の打ち上げがあるらしく、帰って来るのは18時過ぎだと言っていた。  だから俺は、18時には全ての料理を作って朔一が来るのを待っていた。  携帯の着信音が鳴って、携帯を開いてメールを見ると、後少しで着くと書いてあった。  俺はそれを見て、料理を温め直す事にした。 「ケーキ、ホールは大きかったかな…」  美味しいケーキ屋が駅近くにあると生徒から聞いて、俺は買い物のついでに覗いてみた。  ガラス張りの中に美味しそうなケーキがたくさん並んでいて俺は堪らず買ってしまった。  今日がクリスマスの為、ホールのショートケーキが安くなっていた。  俺は進められるがままにそのホールケーキを買ってしまった。  この年になると、こういった物を普通に買えるようになった。  子供がいてもおかしくない年になったからだと思うが、俺に子供がいそうに見えるらしく、周りからもパパっぽいと言われる。  自分では小学校の教師なのだから、そう見えるのは当たり前ではないのかと思っている。だから別におかしな事では無い。  俺は生徒の父親でもあると自分で思っているからだ。  子供が欲しいとは思った事は無い。  俺には生徒がいるし、朔一がいる。  それだけで十分だ。
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