第2章

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「まぁ、食べられなくもないよな」  俺も朔一も甘い物が好きだ。  二日掛ければホールぐらい食べ終わるはずだ。  そんな事を考えていたら玄関のチャイムが鳴った。  たぶん朔一だ。  ここはセキュリティがガッチリしてある為、住んでいる人しか中に入って来れない。  ここのマンションの入居者は大体が芸能関係の人らしく、プライベートをしっかりと持っている為、他人の干渉は一切しないらしい。  でも俺はここに住んで一度も芸能人らしき人と会った事は無い。  それくらい忙しいのと、帰るのが不定期だと言う事だと思うが。 「今開ける」  ガチャッと少し重いドアを開けて朔一を迎え入れる。 「お帰………えっ……?」 「………え? 先生………?」  そこにいたのは朔一では無く、蘭丸だった。  俺が驚いているように、蘭丸も驚いている。 「蘭丸…何でここに……?」 「えっ、咲君と先生って一緒に住んでんの!?」 「ちが……くもないが…」 「どっち!?」 「えっとー……あっ、何で蘭丸がここにいるんだ?」  俺は話しをそらしたくて話しを最初に戻そうとした。  すると、蘭丸の後ろから蘭丸よりも大きな男が顔を出した。 「俺が招いたんだ。一緒にクリスマス会しようって」  朔一だった。 「サク……」  蘭丸は俺と朔一の顔を交互に見て混乱していた。  朔一はそんな蘭丸を見て、笑顔で言った。 「俺と千夏先生は大親友だから一緒に住んでるんだ」  蘭丸は一瞬首を傾げた。 「……ルームシェアみたいな?」  蘭丸がルームシェアと言う言葉を知っている事に関心しながらも、朔一を睨みつける。  朔一は俺にだけ分かるように口パクで、「まぁまぁ」と言って来た。 「サク……?」  俺はそれを見て、朔一がここに蘭丸を連れて来たのには何か事情があると分かった。  蘭丸は俺の表情を見て、何処か不安そうな顔をした。  俺はそれを見て、今は蘭丸を中に入れてやらないとと思い、扉を全て開ける。
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