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「まぁ、食べられなくもないよな」
俺も朔一も甘い物が好きだ。
二日掛ければホールぐらい食べ終わるはずだ。
そんな事を考えていたら玄関のチャイムが鳴った。
たぶん朔一だ。
ここはセキュリティがガッチリしてある為、住んでいる人しか中に入って来れない。
ここのマンションの入居者は大体が芸能関係の人らしく、プライベートをしっかりと持っている為、他人の干渉は一切しないらしい。
でも俺はここに住んで一度も芸能人らしき人と会った事は無い。
それくらい忙しいのと、帰るのが不定期だと言う事だと思うが。
「今開ける」
ガチャッと少し重いドアを開けて朔一を迎え入れる。
「お帰………えっ……?」
「………え? 先生………?」
そこにいたのは朔一では無く、蘭丸だった。
俺が驚いているように、蘭丸も驚いている。
「蘭丸…何でここに……?」
「えっ、咲君と先生って一緒に住んでんの!?」
「ちが……くもないが…」
「どっち!?」
「えっとー……あっ、何で蘭丸がここにいるんだ?」
俺は話しをそらしたくて話しを最初に戻そうとした。
すると、蘭丸の後ろから蘭丸よりも大きな男が顔を出した。
「俺が招いたんだ。一緒にクリスマス会しようって」
朔一だった。
「サク……」
蘭丸は俺と朔一の顔を交互に見て混乱していた。
朔一はそんな蘭丸を見て、笑顔で言った。
「俺と千夏先生は大親友だから一緒に住んでるんだ」
蘭丸は一瞬首を傾げた。
「……ルームシェアみたいな?」
蘭丸がルームシェアと言う言葉を知っている事に関心しながらも、朔一を睨みつける。
朔一は俺にだけ分かるように口パクで、「まぁまぁ」と言って来た。
「サク……?」
俺はそれを見て、朔一がここに蘭丸を連れて来たのには何か事情があると分かった。
蘭丸は俺の表情を見て、何処か不安そうな顔をした。
俺はそれを見て、今は蘭丸を中に入れてやらないとと思い、扉を全て開ける。
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