第1章

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   だから、このお店は大丈夫かと心配になる。  でも、昼に来るようになってから、その心配はあっさり解消された。  ランチタイムは、昼の十一時から三時まで。その時間帯には、結構お客さんが入っていたりする。それが、土日となると更に増える。 「若葉さん。ミルクティー、もう少し待って下さいね」 「マスター、私のは後回しでいいですよ。今日は、特に用事も無いですから」 「確か今日は、勇人くんとデートではありませんでしたか?」 「ドタキャンされたんです。彼のバイト、いつもは夜なんですけど、急に昼のバイトに欠員が出たとかで」 「彼は、働き者なのですね」 「初デートをドタキャンなんて、働き者って呼んでいいんですかね」  マスターは私と会話しながら、他のお客さんのオーダーをさばいている。  夜のマスターの穏やかな様子とは違い、テキパキと動く姿にキュンとして慌てて視線をそらした。
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