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このまま突き放して撒けそうな場所を探そうと思うも目の前に広がるのは前にしか続いていないコンクリートで脇を固められた道だけで曲がり角はおろか入り込めそうな建物一つも無い。
なんか変だ。
さっきから知っている道を通っている筈なのにコンクリートの道ばかりで俺の知っている風景と全く違う。
まるで俺達だけ別の空間に居るような…。
「はぁ、はぁはぁ…」
俺の少し後ろを走る少女が胸に手を当てながら息をかなり荒くしている。
流石にこのままじゃまずいな。
少しでもいい、何処か身を隠せる場所を…そう思った刹那、
―――ズバン!
背後からブン!と音が聞こえたかと思うと目の前の電柱が横に真っ二つに切れ、ドスン!と重々しい音を立てながら地面に倒れた。
「うおっ!」
「きゃっ!」
電柱に道を塞がれた俺達は慌てて足を止める。
「おっ、おい。嘘だろ、なんで電柱がいきなり…」
さっきの音とこの電柱…いや、まさか…
「……くひひひ」
気味の悪い声が背後に響き背筋が凍る。
息を呑みながら振り向くと…
俺の身長よりも大きな大鎌を両手に持った化け物がそこに居た。
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