春山修斗・1

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な。 何言ってんの、俺。 「……………………………なぁんちゃって、はは」 苦し紛れに漏れた言葉が、さらに自分の首を絞める。 呆れ切った視線を投げかけて来る玲二の隣で、俺は無表情に見つめて来る先生から目が離せなかった。 顔を真っ赤にしながら唇をキュッと噛み締めていると、先生は一歩俺に近付きグッと腰を折り曲げた。 かなりあった身長の差が一気に縮まり、目の前に先生のどアップが来る。 「…………へぇ?じゃあ、さっそく手解きしてもらうかな?」 て。 てほどき? ニヤリと不敵に微笑んだ顔が、更に近付く。 それはもう、かなり。 え? とか、 は!? とか。 心の中ではテンパって訳が分からない状態なのに、何故か体はがんじがらめになったように動けない。 「キスしちゃおっかな~?」 き。 キス? 一瞬単語の意味を理解出来ず、さらに目が点になってしまう。 「奥まで舌入れて、息が出来ねーくらい深~いやつしてやろうか?ん?」 した? いれる?? もう。 結構な最初からキャパオーバーだったんだ。 先生の声が全く届いて来ない。 えーと。 えー、と。 「ーーーーいい加減にしろ、この変態教師」 何故か俺の後頭部をバシッと叩いた玲二が、そのまま肩をつかんで俺を引き寄せる。 「コイツで遊ばないで下さい」 遊ぶ。 あぁ。 俺、遊ばれたんだ。 少しだけ動き出した頭で考えながらぼんやりと先生を見ると、ニヤリと楽しそうに笑っていて。 そうか。 遊ばれたんだ。 再度そう心の中で繰り返して。 なんだ。 なぁんだ。 そりゃ、そうか。 なんて。 ひどく納得しながら、こっそり一人で傷付いていた。
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