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「錦戸先輩って本当、サッカー上手いっすよね!」
部活が終わり運動場を整備し終えた一年が、部室に戻った瞬間俺の元へやって来た。
キラキラと目を輝かせながら「憧れています!」と前面に押し出しているその顔に、チラリとだけ視線を送る。
「俺、先輩を目指して頑張ります!!」
それだけ言い残し、その生徒はサッサと自分のロッカーに歩いて行ってしまった。
まだ、何も答えてない自分。
答えようともしていない、自分。
皆もう分かっている。
俺の反応がやたらと薄くて、ほとんど喋らないということを。
分かっているから、言いたいことだけを言い切りすぐにどこかへ行ってしまう。
それが、とにかく、楽だ。
話す気力が湧かないのは、昔から。
誰にも興味を持てないのも、昔から。
…………ぁ。
でも。
今は、一人だけ。
たった一人だけ、ほんの少し気になる人がいる。
そうだ。
今日は、月曜日だった。
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