2 真赤な粉 ①

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2 真赤な粉 ①

「冬和様……!」 「やあ、来たね」 こんな日に限って。 先生に頼まれ事をされ 昨日よりだいぶ遅くなった。 「そんなに慌てなくても、僕は逃げやしないよ」 冬和は日の暮れかけた裏庭に立って 菊の手入れをしていた。 線が細いだけで こうして向き合うと僕より頭一つ背が高い。
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