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実は、あの指輪には緊急事態用の通信機能も存在してるけどそこまでは言わない。
そんな高性能な魔道具なんて知ったら、借りてくれないからね。
それに、これは僕の魔道具と対になるから、僕だけに連絡が来る事になる。
緊急事態には駆けつけられるでしょ?
最近、漸く転移が出来るようになったし。
指輪が目印になってくれるだろうしね。
すると、バーンが言った。
「なあ。俺の分は?」
バーンの言葉に呆れたように言うシリル。
「あんた馬鹿?エラールと一緒なんでしょ?なんで要るのよ!それに、高価な物なんだから、そんなに持ってるわけないし、督促なんてするな!」
そういって、バーンの頭を殴るシリル。
「いってえ!良いじゃんか!別にさあ!有ったら便利じゃんか!」
悪びれる風もなく言うバーンの様子に頭を抱えるシリルと苦笑するジェム。
「全く、お前って奴は困った奴だな」
僕は苦笑してポケットからもう一つの指輪を出す。
2人に渡したのと同じものだ。
「え?それ!」
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