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「生理痛が酷いために休暇をとります」
女性が多いこの会社では、普通に皆生理休暇をとっている。
庶務へ連絡するのは億劫だけれど、有給を使うまでもない。
そんなときはウソをつく。
そういうパートさんが多いらしい。
古賀まり子がよく愚痴っていたけれど、
私は今回初めて使ってみた。
今朝方、朴さんから、おはようメールが来ていたけれど、
【体調不良で休みます】と、
素っ気ない返事をかえしていた。
絵文字は使わなかった。
「山村サーん、診察室へお入りください」
大きな病院ではないために、番号ではなく名前で看護師から呼ばれる。
「性病や子宮がんの検診とのことですが、特に症状はないんですね？」
女性医師がいると聞いてやって来た産婦人科。
『男の先生か……』
ガッカリして、小さく「はい」と返事をする。
「３０過ぎたら無料検診があるんで、それ受けに来る人多いんだけど、こんなに若いのに自ら受けに来るなんて感心だな」
「…………」
まさか、
２度も襲われたとはいえず……。
「妊娠の可能性は周期から見てありそうですか？」
「多分有りません」
更に検査薬でも出ない時期だから病院へ来たとも言えず
「とりあえず先に尿検査しておきましょうか？」
市販薬よりどれくらい早く認知出来るのか分からないけれど、
一番心配しているそれを調べて貰えてホッとした。
「あの、恋人はいらっしゃいますか？」
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