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それからの俺は毎日通った。 そう、毎日。 定休日なんて忘れてた。 それくらい惚れ込んでいた。 その動作に…その味に… 通い始めて1ヶ月たった頃からだろうか。 最後の一杯はオリジナルのカクテルを 作ってくれるようになった。 「これは…なんですか?」 「試作品です」 一客の俺に試作品を呑ませてくれることが何よりも嬉しくて。 「これ、好きです」 ありがとうございます、そう言ってにこりと笑って下がる。いつも交わす会話はほんの少しだけ。 そして俺がくる度に見せる、また来たのかと言いたげな苦笑いだけ。
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