祭りの後

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その後、家に戻って由奈と、いつかのように布団を並べて二人で寝た。 夜遅くになっても火柱は消えなかったけど、朝になったら何事もなかったかのように綺麗に消え去っていた。 集会所も、その中にいた人達の遺体も完全に消えていて、黒い焦げ跡が残っていただけ。 昼過ぎになり、家の外が騒がしいと外に出てみると、覆面パトカーを含めた数台のパトカーが、集会所の跡地に停まっていた。 その中には、先日俺と麻里絵を谷まで連れ戻した警察官の姿も見える。 生存者は俺と由奈の二人だけ。 間違いなく罪に問われるだろうと思っていたけど……どういうわけか、これは「儀式の際に起こった悲しい事故」として、俺は罪に問われなかった。 刑事さんが言うには、この谷の儀式は、署長とここにいる警察官しか知らない事で、何が起こっても全て事故として処理するよう、谷の長と取り引きが行われていたらしい。 つまり、この事も全ては事故として処理されて、俺が何をしたというのも、警察にしてみればどうでも良いのだ。 人食いの儀式を、目をつぶっていた時点で、誰が何人死のうと知った事ではない。 冷たい言い方をすればそうなんだろうな。 この谷で起こった、悲しい儀式。 友達を助ける為に命を投げ出したやつがいた。 谷の為と、友達を犠牲にする事を選んだ奴がいた。 これで谷は救われたと喜んだ人達は焼け死んで。 結局俺は、自分の無力さを思い知っただけだった。
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