第一章:瀬尾誠

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ポッキーを口に入れた俺は、岩田さんからスレッドの用紙を取り上げた。 「岩田さん、俺らはアウトドアサークルだ。 ホラースポットを探すためのサークルじゃない」 「分かってるわよ、そんなこと。 未知の領域に足を踏み入れる事に興味を持つのは、そんなにいけないこと?」 目に掛かった長い黒髪を掻き上げながら口角をあげて微笑む岩田さん。 「別に興味を持つのはいいけど、みんなを怖がらせないでくれ」 「ハハハ……臆病なのね。 男のくせに……」 岩田さんがそう言って笑うと同時に、達也が勢い良く立ち上がる。 「俺は別に怖くもなんとも無いっすよ! どっちかって言うと副部長の不敵な笑いの方が怖いっす」 「ちょっ……止めなよ達也!」 口を尖らせて呟いた達也の袖を引っ張るしのぶ。
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