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「副部長である私に……いい度胸ね。
あなた……しのぶさんの事が好きなんでしょ?
だからそうやって男らしい態度をわざとらしくしている。
実際はたいした度胸も無いくせにね……」
「なっ……」
冷やかな目で呟く岩田さんの言葉を聞いた達也は顔を赤くし、眉間に皺を寄せる。
「ねぇ……部長。確か、7月のキャンプ地ってまだ決まって無かったわよね?」
岩田さんはスマホ画面にカレンダーを表示させて7月の欄を見せてくる。
「キャンプの日は確か今日から3週間後の7月9日土曜日。
今回の行先はT県山麓なんてどうかしら?
この生意気な達也君の度胸が見たいからね」
岩田さんは達也を見下しながら俺に告げた。
「ダメだ。こんな場所には皆を連れて行けない。
そもそも、テントが張れるかどうかも解らないしな。
心霊スポットなんかに行って事故にでも遭ったら大変だろう?
俺と岩田さん、そして清一郎にとっては最後のキャンプなんだ。
そんな場所は選べない……」
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