第一章:瀬尾誠

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「3人になっちゃいました……ね」 鈴はそう言って俺の目を見つめる。 「はぁ……また岩田さんのオカルトマニア振りが発揮されたな……。 ごめんな、鈴」 「ううん。私は大丈夫……です」 俺と鈴の会話を黙って聞いていた清一郎が呟く。 「あのさ……僕、ずっと気になってたんだけど、2人って……付き合ってるよね?」 「えっ!?」 俺と鈴が声を合わせて驚く。 「いや、会話の雰囲気とか視線のやり取りとか見てたらね。 誠とは小学校からの付き合いだし、好きな人を見る表情くらいは解るよ」 眼鏡を拭きながら話を続ける清一郎に、俺は笑いながら言葉を返した。 「ハハハ、いつか言わなきゃと思ってたんだけどさ、なんか言うタイミング無くて……」
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