5923人が本棚に入れています
本棚に追加
/430ページ
「でも、他の場所に決めたとしても、達也君が黙って無いかな?
彼、負けず嫌いだし……」
「だとしても、落崖村って場所が安全か解らない以上、行くわけにはいかない」
誠はそう言って珈琲を飲んで窓から外の景色を見つめる。
「私は……絶対に安全な場所じゃないと思うんだよね。
オカルト研究会の生徒が消えたのも、もしかしたら落崖村が原因かもしれないじゃない?」
私が呟くようにそう言うと、誠は口を閉じたままコクりと頷いた。
「とりあえず、キャンプ地の候補をまとめておくよ。
岩田さんももしかしたら気が変わるかもしれないしな」
誠はそう言ってスマホでキャンプ地の検索を始めた。
「軽井沢とかは?」
私がそう提案すると、誠は眉を顰めて口を開く。
「ここからだと5時間以上掛かる。せめて3時間くらいで行ける場所にしとかないと。
軽井沢、行けるなら俺も行きたいけどな」
私に優しい笑顔でそう告げた誠は、キャンプ場の画像をスマホに表示させて見せてくる。
「ここ、どう思う?」
最初のコメントを投稿しよう!