第二章:川口鈴

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「奥多摩?それって確か……去年行った所じゃない?」 「あぁ……でも、キャンプ場は別の所だ。 ここなら川が近いから鮎釣りも出来るし、キャンプファイヤーも出来るぞ!」 誠は興奮した様子で説明を続ける。 「しかもさ、近くに鍾乳洞まであってカヌーに乗れる場所があるみたいでさ……」 「へー、私……カヌーなんか乗った事無いから乗ってみたい!」 誠とカヌーに2人で乗る様子を想像し、私のテンションも上がってくる。 「だろ?よし……このキャンプ場のプレゼン資料を作ってみるよ! 皆が奥多摩に行きたいって事になったら、流石の岩田さんも文句は言えないだろう。 達也の怒りを鎮めることさえ出来れば、このキャンプ場に決定するはずだ」 そう言って珈琲を飲み干した誠はカバンを肩に掛けて立ち上がる。 「大変だねぇ……部長は。 私、その頼りになる所好きよ」 他人事のようにそう言って笑った私も一緒に立ち上がる。
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