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「お夏さん、今日は一緒に甘味処に行こう?」
「飲食店ならいいよ」
「意地悪だなぁ」
「じゃ、行かない」
「嘘!いいよ、飲食店でいいよ!」
「奏歌ちゃんの奢りね」
「わ、わかった」
うぅー
お夏さん厳しい
まぁ、誘ったのはボクだし、別にいいけど
「お夏さんさ、最近疲れてない?」
「え?」
「クマがひどいよ?」
「・・・」
「何かあった?」
「視線を感じるの。家を出る度に」
「・・・」
「目的は私じゃないみたいなんだけど・・・」
「そっか。でも、気にすることじゃないよ。今日でそれは終わるから」
「どうして分かるの?」
「ボクも視線を感じてたから」
「なんで言わなかったの!?」
「危険じゃないみたいだから」
「奏歌ちゃん、前も言ったけどここは京の都なの。危険なところなの。奏歌ちゃんが危険じゃないと思っていても、本当は危険かもしれないんだよ?」
「心配しすぎだよ。お夏さん見たでしょ?ボクの強さ」
「それでも・・・!」
「大丈夫だよ。ボクは負けない」
「っ・・・私は心配してるの。わかるでしょ・・・?」
「お夏さんに何があっても、ボクが守るよ。そのためならいくらだって命を張れる」
「バカ!私はそんなことを言ってるんじゃないの!!」
わかってるよお夏さん
でもこれはボクのワガママなんだ
「ありがとう、お夏さん」
お夏さんの気持ちは嬉しい
だからこそ、辛いんだ
なくしたくない
手放したくない
手放せば、居なくなってしまう
どこかに行ってしまう
ボクはまた、独りになってしまう・・・
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