やだ

2/7
前へ
/27ページ
次へ
「お夏さん、今日は一緒に甘味処に行こう?」 「飲食店ならいいよ」 「意地悪だなぁ」 「じゃ、行かない」 「嘘!いいよ、飲食店でいいよ!」 「奏歌ちゃんの奢りね」 「わ、わかった」 うぅー お夏さん厳しい まぁ、誘ったのはボクだし、別にいいけど 「お夏さんさ、最近疲れてない?」 「え?」 「クマがひどいよ?」 「・・・」 「何かあった?」 「視線を感じるの。家を出る度に」 「・・・」 「目的は私じゃないみたいなんだけど・・・」 「そっか。でも、気にすることじゃないよ。今日でそれは終わるから」 「どうして分かるの?」 「ボクも視線を感じてたから」 「なんで言わなかったの!?」 「危険じゃないみたいだから」 「奏歌ちゃん、前も言ったけどここは京の都なの。危険なところなの。奏歌ちゃんが危険じゃないと思っていても、本当は危険かもしれないんだよ?」 「心配しすぎだよ。お夏さん見たでしょ?ボクの強さ」 「それでも・・・!」 「大丈夫だよ。ボクは負けない」 「っ・・・私は心配してるの。わかるでしょ・・・?」 「お夏さんに何があっても、ボクが守るよ。そのためならいくらだって命を張れる」 「バカ!私はそんなことを言ってるんじゃないの!!」 わかってるよお夏さん でもこれはボクのワガママなんだ 「ありがとう、お夏さん」 お夏さんの気持ちは嬉しい だからこそ、辛いんだ なくしたくない 手放したくない 手放せば、居なくなってしまう どこかに行ってしまう ボクはまた、独りになってしまう・・・
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加