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「もー最悪ー」
どうしてこうもタイミング悪いのかなぁ
行きつけの飲食店は全部満員
相席するとしてもボクは自分からするほうじゃない
頼まれないとしない派だから、正直嫌だ
ボクを預かってくれている家主は今は不在だろうし・・・
昼食食べるところがない!
もうやだー・・・
「お腹すいた・・・」
金平糖、買っておけば良かった
でも金平糖だけじゃお腹いっぱいにならない・・・
どうしたもんかなぁ・・・
そんなことを思って歩いていると見覚えのある後ろ姿が目に入った
「お夏さーん!」
「奏歌ちゃん」
「朝ぶりで・・・ブフッ・・・」
「昨夜ぶりね。どこほっつき歩いていたの?そ・う・か・ちゃ・ん?」
あぁ、怒ってるなぁ
お夏さん怒ると怖いんだよなぁ・・・
言い訳しても怒られるし、素直に謝っても怒られる
でもそれはボクのためなんだけど・・・
お夏さんの後ろに鬼が見えるっ!
あ、お夏さんはボクを拾ってくれた人だ
見た通り、凛としていて、綺麗で、しっかりした人
怒ると般若みたいだけどすごく優しい人
「もう!どれだけ心配したと思ってるのよ!全然帰ってこないから何か変な事に巻き込まれたのかと思ったわ!」
「ご、ごめんなさい・・・」
「散歩するのはいいけど、ここは治安が悪いんだから少しは危機感を持ちなさい!」
「は、はい」
ね、すんごく優しいでしょ?
だからボクはお夏さんは好きなんだ
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