忘れていいけど、忘れない

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  「1回1回、丁寧に心を込めるのは お前だけだし。 他は覚えてないし、知らね」 丁寧とか心を込めるって。 なんだろう、それ。 「……ごまかそうとしてる?」 「いいや。正直に答えてるよ。 本当に覚えてないだけ」 「……」 「納得いかないんだな」 クッと低く笑うと、 拓海さんは「服を着ろ」と 自分でばらまいたあたしの服を かき集め、返してくる。 「なに? 話、 まだ終わってないんだけど」 「いや、判らない女には 実地で教えるしかねえ」 「だから、どういうこと」 .
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