忘れていいけど、忘れない

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  「あっ、あ……」 「……」 彼のもう片方の手は 背筋をなぞって這い上がり、 あたしのハーフアップの 毛先を掴んだ。 雑に扱われている気はしなかった。 「TAKUMIさ、ん……あの、 や……やだ……」 「……ふっ」 愉悦を隠さない低い笑いは、 直接あたしの身体の中に響く。 「お前、相変わらずちいさいなあ」 なんで、 そんな楽しそうに言うかな。 「……胸は、ちょっと大きくなったか」 なんで、 そんなこと覚えてるかな。 「やーらかいのは変わってない」 ……なんで、 そんな嬉しそうに、 言うかな。 .
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