第一話 チョコとパンジー

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「んー……まあ。家庭環境から、そんな流れにね」 そう言った片山さんは少し複雑な表情をしていた。 「そうなんですか」と首を傾げて曖昧に返事をしたけど、なんとなくその複雑な感情には私も覚えがあり、ちくりと胸を刺した。 周囲の環境に、なんとなく流される。 私の大学の志望動機が、それそのものだった。 だけど。 「でも、やっぱり片山さんはすごいと思います」 私は入試に失敗したあとも、何をするでもなくただ時間を消費しただけだったから。 このカフェに、再び訪れることになるまでは。
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