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半年前、俺たちが住むその場所が
大地震に襲われた。
その大地震が俺から奪った存在は、
俺に音楽と言う夢を与えてくれた
大親友の晴貴(はるき)、
そして俺の彼女、美空(みく)。
晴貴と美空を失った俺の時間は、
あの日を境に、生(せい)を失った。
俺自身の心が、
生き続けると言う行為を拒絶してしまったから。
晴貴とデビューを夢見て
ずっと中学の頃から続けて来たバンド活動。
晴貴をボーカルとして、
次々と出逢っていったバンド仲間。
ドラムの煌太(こうた)。
ギターの翔琉(かける)。
ベースの悠生(ゆうせい)。
そして、もう一人のギターの俺と晴貴。
俺たちが夢に託した
バンドの名前は、NAKED BLUE。
何もかもが真っ青な空の様に。
いっぺん曇りもない、そんな存在でありたい。
嘘偽りのない姿で、俺たちの言葉を想いを届けたい。
そんな想いを込めて……。
そんな夢も、デビューを目前に潰(つい)えた。
ボーカルの晴貴の死と言う形で……。
その日から、俺は宛のない
出口のない暗闇を
ひたすら彷徨い続けていた。
ただ『救えなかった』っと言う罪悪感だけを
抱え込んで。
俺自身が、何事もなかったようにするのは
許せなかった。
アイツらの存在を忘れたくなくて、
それを枷にしてでも、
思いつづけたくて、
過去の中だけを彷徨い続ける。
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