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雪野エンディングで現れた帽子を深く被った少年?最終章ではその少年のストーリーとなった。
澪都の物語が始まってから十年後………当時、七歳だった少年?は澪都の家を突然訪ねた。
「はい、ただいま~。」
中から現れたのは腰まである髪が紫色になっている大人の女性だった。
「すみません。ここは天瀬 澪都さんの御自宅でしょうか?」
「えぇ、そうですけど………どちら様ですか?」
「あっ、申し遅れました。僕は海外からやって来ました春澪と申す者です。澪都さんに伝えて頂ければ思い出してくれると思うんですが………お願い出来ますでしょうか?」
僕がそう言うと、紫髪の女性は「少々お待ちください」と言って家の中に戻っていった。
「澪都様、お客様ですよ。春澪と言う名の方から………。」
「!!!!」
しまった!!まさか、こんな所まで追い掛けて来るとは予想外にも限度があるのに………。
「分かった。俺が行くから皆はここで待っててくれ。」
正直………しんどい。
「んで、久しぶりの再会の開口一番がこれなのはいけないと思うが………何しに来た!?」
「もちろん、貴方との約束を果たしに参りました。」
やっと会えたんだ。こればかりは僕でも譲る事は出来ない。
「だから………。」
「澪都さんが理事長を勤めている聖麗桜花女学校の編入試験を受けに来ました。」
ナンダッテ?イマ、ナント、オッシャイマシタ?
「いや、そりゃ無理だろ。だってお前は………。」
「僕は、れっきとした女の子だよ。」
小さい胸を懸命に張り、踏ん反り返るが、まぁ、一応ながら女の子に違いないけど………。
「お前なぁ―――悪い事は言わん。飯でも食ってさっさと帰れ。」
「なんでだよ!!澪都さんは僕みたいなロリ系が好きじゃないのかよ!!」
俺はすぐ側にあったスリッパで春澪の頭をスパコーンと振り下ろす。
「痛ったぁぁ~!!!!」
「こないな場所で、んな大声出すなぁボケ。しゃあないな、とにかく家ん中入りぃ。」
全く、厄介な奴がやってきやがった。身なりは女の子でも………。
「んで、何でこっちに来た?お前等とは契約を破棄した筈だが?」
「それがですね、元帥が倒れてしまったので僕達を使役出来る者が居なくなってしまったので再び澪都さんにお願いしようかと………。」
「嫌だ。それなら他の奴に頼め。俺が了承すれば全員こっち来るだろう?第一、毎日毎日、背中を気にしてられるかっての。身なりは普通でも、中身は暗殺者だろうに。」
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