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「そんなの、自業自得だっての。」
澪都はさっさと準備を済ませるとキッチンに向かう。エプロンを付けて、腕捲りをしたら冷蔵庫を開けて料理を開始する。
「まったく………後先考えずに馬鹿騒ぎするからだ。これ飲め、二日酔いの薬だ。」
「苦~い!!」
全員から抗議が殺到するが………。
「なら今日一日は二日酔いで苦しみ続ける事になるぞ。」
それが決め手になったのか全員は渋々ながら緑色のドロッとした液体を飲んで今日一日を始める。
「行ってきまぁ~す。」
エリエミ姉妹は別々の魔術学校で小さい子供達に魔法を教えている。
他の皆もそれぞれの仕事に就き、澪都の家を3メンバーに分かれて出る。
「さて、今日も平和な生活が送れるように楽しく行こうかね。」
「そうですね。春澪ちゃんの事は私達がフォローしますし。」
「よ、よろしくお願いします!!」
「まぁまぁ、そんな緊張してたらボロ出すぞ。普通にしてりゃあ良いんだよ。普通にすりゃあな。」
「澪都様は考えなさ過ぎです。もう少し考える事をした方が良いと思いますけど………。」
俺と佳苗と春澪は聖麗桜花女学校に向かっていた。色々な事があったけど春澪としては初めての登校になる。
「まぁ気にすんな。俺がいつでもフォローすっから春澪も大船に乗った気分で居ろ。」
と、信じるのが不安になりそうな澪都さんの言葉、でも、そう言うのなら信じるしかない。
「大丈夫ですよ。澪都さんのおかげで魔力のコントロールはそれなりには出来ますから最悪な事にはなりませんし………。」
「いや………最悪では無いんだが、いきなり衝撃的な事があるような気がする。」
それは直感なんだが、その直感で想像出来る事は今、話す事は出来ない。だって必ず来るのだから………。
「澪都様、教師と生徒の境界線だけは守っていてくださいね。最近は澪都様の人気度が上がって来て隠れファンや裏にファン倶楽部も存在すると言う噂が在りますし………。」
「あぁ、分かったよ。それなりに気を使って、付き合うさ。」
そんなで気付けば女学校に到着していた。
「春澪は理事長室で待機しててくれ。後で教室に案内するから先生は桜姉さんだけど………まぁ、心配はしなくても良いだろう。約束は守ってくれるから………んで、桜姉さんはどこに?」
「―――――遅刻です―――――。」
教師が遅刻って良いのだろうか?まぁ、後で猪突猛進で来るだろうし………な。
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