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困惑しているのは茜だった。
他のメンバーは呆然としていたからだ。
「澪都、ちょっとこっちに来い………。」
り、凛!?
しまった!?俺は自らの足で獅子の群れに飛び込んでいたのか!!?
「駄目ですよ、澪都様。こんな事をされたら笑うしかないですね。ウフフッ………。」
ゆ、雪野さん!?
こ、怖い。その満面の笑みの裏には何の感情が爆発してるんですかぁ!!?
「あっ、澪じゃないの。何、アンタも飲む?」
いつもと変わらず接してくれる桜姉、でも一升瓶の大吟醸を飲めと言われそう………。
「それではレイト、参りましょうか?」
エレナに首元を掴まれて引きずられていく。
「た、あ、茜………た、た~す~け~て~!!?」
悲鳴と共にゼロ様は最強の名に相応しい女性達に連れていかれてしまった。
(ごめんなさい、茜にはゼロ様を助ける事が出来ませんでした。)
まぁ、何はともあれ全メンバーが合流出来たのは良いのだが、澪都は奴隷のように僕(しもべ)のように使用人の如く、良いように扱われていた。
そして二度目の実感、やっぱり澪都家の女性は強い。
「ほらほら、そんなへっぴり腰では綺麗になりませんよ!!?」
「これだから………使用人の分際で私達に命令なんてしないでくださる?」
「澪~、酒飲むかぁ?」
ここはシンデレラの世界か?
美女達に虐められる男子、例を見ないパターンである事は二の次にして、やっぱり皆一緒の方が楽しいと言う事を実感した。
「まぁ、楽しんでもらえたなら良いんだけどね………。」
「レイト、話を逸らさないでいただきたい。まだ結論が出ていません!!?」
そして俺はエレナさんに怒られる。
「ってか、俺は何か目的があった気がする。」
周りを見ると、凛と目が合った。それで思い出したのだ。
「あっ………。」
悩んだ、どうしようかと………。
それでも伝えなければならない。曖昧な態度で他の人を傷付けたくなかったから………。
「なぁ、凛………少し散歩しないか?」
「えっ………う、うん。」
凛は少し驚いたようだったが、少しして小さく頷いた。
「春の夜はまだ少し寒いな。」
「澪都、私に何か用があるのではないのか?」
凛も何となく把握している。澪都から話し掛けてくる事は大切な事か、違うかである。
今回は大切な話だと感じられた。
「分かってるなら良っか。一回しか言わない。」
俺は凛の事が好きだ………この世界中の誰よりも。
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