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「むむっ!?むむむ~っ!!?」
『訳・おい、何やってんだ。お前等!!?』
これから澪都の言葉を訳していきます。
「雪野、同じ住人でも手加減はせぬぞ!!?」
「勿論です。凛さん、澪都様は私が貰います。その為には先輩後輩は関係ありません!!?」
白銀に光る凛の薙刀、それは全てを斬り裂く事が出来る。
そして凝縮された魔法弾、それは全てを破壊する事が出来る。
互いに油断や手加減など無い。
全力で相手を倒す事しか考えてないのだ。それにチームを組んでいる時点で奇跡に近い。
しかし、勝者は一人だけ、それならば誰が相手でも本気で戦い合う、それが澪都争奪大戦なのだ。
その破壊力は戦争を超える領域、全てを斬り裂き、全てを破壊し、軍の武力など澪都家のメンバーに比べれば赤ん坊の玩具レベルである。
「行きます、凛さん。」
「断る必要など無い、さっさと来い。雪野。」
だが、雪野と凛の世界は別格だった。本来ならば少しくらいの私情で力を緩める筈が、澪都も初めて見るような闘気、その雰囲気に澪都も声を出せずにいた。
「詞(ことば)を綴り、力を生み出す。第一から第十八までの回路起動、私が行うは全てを破壊せし力、時よ、風よ、大地よ、五大元素は我が右手に、終焉を迎える世界は我が左手に………ここに、我の世界を創り出そう。」
大気を歪める程の魔力の渦、それは澪都のレベルを遥かに超越している。
しかし、凛も負けていなかった。こちらは背筋が凍てつくような瞳、静かな眼差しの先に見えるのは雪野の姿のみ、倒す敵しか見えていないのだ。
「我が心は明鏡止水の如く、舞い踊る刃は花鳥風月の如く、我が一撃は雷撃の如く、我が速さは神速の如く、我が全身全霊の疾走を妨げる事は何人にも出来はしない。故に我の敗北も無い。」
凝縮された究極の殺気、止める事は澪都の力では出来ないかもしれない。
しかし、このままでは二人とも冗談では済まない事になる。
さるぐつわをずらし、瞳を閉じた。
「生成、開始。」
二人を守る為には並の盾では敵わない。全て神話通りに、知り得た知識で大切な人を守る為に澪都は決まった呪文(ことば)を綴った。
『DEUS_EX_MACHINA.』
―――主は閉じた世界の神の如く―――
『By_The_Holy_Rood…』
―――魔女狩りは炎と共に―――
『Welcome_to_Tomorrow.Beast_Body,Human_Heart.』
―――終わりの夜に終止符を打つ―――
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