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「………はっ?」
思考が停止した。
「いや、それは何故に?」
混乱するしかないな。
帰りたくても帰る場所が無いと?だから、その理由は?
「あぁ、私達のダミーや澪都が本気で戦ったもんだからな。家は無惨にも全壊、直すには早くても一週間は掛かるらしい。」
それで全身の力が抜けた。
なるほど………それもあったから無料と言う事か、しかし、それまで一週間も待つのは俺の身が持たないような気がするのは気のせいかな?
「あ、あははっ………。」
笑うしかないな、うん。
さてと、どうしたものかな?
澪都の頭が混乱したまま、温泉から上がった。
とにかく、今は頭を冷やさなければならないと考え、夜で夏の外に出る。
頭の中を冷やすにはやっぱり、何かの作業をするのがベストだな。
「………だから。」
『DEUS_EX_MACHINA.』
―――主は閉じた世界の神の如く―――
『By_The_Holy_Rood…』
―――魔女狩りは炎と共に―――
『Welcome_to_Tomorrow.Beast_Body,Human_Heart.』
―――終わりの夜に終止符を打つ―――
この詠唱は澪都が生み出した特殊呪文、他の者が行う場合、代償が大きい。
それでも、生成魔法に特化している澪都ならば簡単である。
それこそが魔法、魔術を越えた境地にある神秘。それを扱える澪都はまさに正真正銘の魔法使いなのだ。
しかし、澪都の場合、その呪文一つで限界を超える事も出来る。
それが、澪都の生成魔法………そして空間形成・禁魔法なのだ。
澪都の世界は全てを破壊する世界。
例え、相手が英雄でも魔神でも、死神でも破壊する事が出来る世界。
「……………ふっ………っ!!?」
物質を生成する。
その全てがオリジナル、知り得る知識だけでも限界がある。
だが、そこからは自身のイメージで形成する。
しかし、魔力が制御出来なかった。それは生み出した禁魔法ETERNITY BRAKE WORLD(全てを破壊せし永久なる世界)の代償だった。
澪都の身体は無事だが、中身も無事ではなかった。
回路崩壊、生成魔法の不出来具合、そして魔力を生み出す事も出来なくなっていた。
「しかしまぁ、生きてるだけ儲けもんだな。中身は後々、少しずつ修復すれば良い。」
これだと学校の理事長も考えないとだな………と、独り言を呟き、星空を眺めていた。
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