彼氏が欲しい!

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「合コン!合コンしよう!」 真面目に机についてるこの間にも、時間は刻一刻と過ぎていっている。 カップルが一組、また一組と増えていってる(ような気がする)。 こうしちゃいられない! と思い至って勢い良く立ち上がった。…は、いいけど。 痛い… みんなの視線がとてもイタイヨ… いやいや、こんなことでめげたら駄目! 私は気を取り直して、隣のおーちゃんの席にばんっ、と手をついた! 「おーちゃん、合コ「しねーよ」」 即答。 おーちゃんは今日もドライだ… 「どうした飛鳥」 「何泣いてんの、あの子は」 私の一人騒ぎに気付いた咲良とアサちゃんが後ろを向いた。 ちなみに二人は、私とおーちゃんの席のふたつ前。 「あさちゃぁーん…彼氏が欲しいよぅ~」 「止めたげて、おーちゃん」 「………飛鳥、ウルサイ」 「うわぁぁあん!」 私が提案をすると、いつもこんな感じで止められる。 だけど、今度ばかりは本気だった。 「ねぇぇ、しようよー!オーちゃんも行くでしょ!合コン。うちら中二だよ。一番自由な学年!ビバ☆青春!!!!」 中学二年生。 今年がラストチャンスだと思った。 私立だからエスカレーターでもいいのだけど、脱女子校するには来年は受験だ。 外部を受ける理由が欲しかった。 勿論、女子校は楽しい。 基本的にフリーダムだし、男子の目なんて気にしなくてもいいし、うちは先生もユルいから大抵の悪さも許される。 だけど、刺激は少ない、そういうこと。 キラキラした目でみんなに訴えかけると、なんとなく目を逸らされた。 「いいなぁ…咲良は涼くんと仲良しだし」 「喧嘩しかしてないけどね」 「アサちゃんは空くんに甘やかされてるし」 「基本放置されてるけどね」 「おーちゃんんんんん」 「「おーちゃんには部活があるからね」」 「みんなリア充ううう!!!」 リアルが充実してる、リア充。 そうか、二次元にでも走ればいいのか。 最近はネト充なんて言葉も… 「飛鳥が変なこと考えてる顔してる」 「ネト充って、どうやったらなれるのかな…」 「「「やめろ」」」 冷たい目で見られた。
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