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それは、約一ヶ月前。
母親のある一言から始まった。
「孫の顔が見たいわ」
「……は?」
「だって水樹ったら、女の子苦手~とか言って彼女の一人も作らない、おまけに、童貞のへたれ!!将来が不安だわ~」
「どうて……て、いきなり何言い出すんだよ、母さん!!」
相変わらずに母にツッコミをいれる。
しかし母は、そんなこと気にもせず、あっそうだわ~と言って、ゴソゴソと近くの棚を漁り始めた。そして、一通の茶封筒を取り出すと、それを僕に手渡し、こう言った。
「と、いう訳で、あなたここに転入しなさい」
追記しておくと、母さんの気まぐれはいつものことだ……。
おもむろに渡された茶封筒の中のものを取り出と、それは、どこぞの学校のパンフレットだった。
「私立青木坂学園……て、ここ思いっきり女子校じゃんか!!」
「あなたなら大丈夫、手続きは済んでるし、それにその学校、お婆ちゃんが経営してる学校なのよ~。とにかく、来週からこの制服を着て、青木坂に通ってもらいます。異論は認めません」
どうやら僕の話に耳を貸すつもりは、毛ほども無いらしい。
そしてその制服は一体どこから出したんだよ!!
「え、え、え、ちょ……なんでぇぇぇぇ~~~」
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