家族<彼女

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彼女も僕を求めていたのか強く抱き付いてきた。 僕も久々の感覚だったので彼女に好きなだけ甘えさせてあげた。 僕の顔を見上げ、目をつむった彼女に僕は優しくキスをした。 頭の中に妻と子供の顔が浮かんでくる… 家族に対する罪悪感を振り払うかのように僕は何度も何度も彼女にキスをした。 唇を離した後、彼女は言った。 「割りきった関係でいい。 龍二さんの奥さんで足りないところを私で補ってくれたらいいです。 お互いにパートナーにはないところを癒しあいたいです。」 「そやな。それくらいしか俺にはできないし…ごめんな。」 「ううん、今こうやって抱き締めてくれるだけでいいです」 僕は家族にも彼女にも申し訳ない気持ちになったが彼女のそばにいたいという気持ちが遥かに勝ってしまった。
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