2つの愛してないという言葉

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車に乗ろうとした僕の後ろから囁くような小さな声が聞こえた。 「龍二…愛してる。大好き…」 「えっ?今なんて…」 「何もない…彼氏待ってるから今日はちゃんと話せないから月曜日仕事終わってから最後に話そ?」 「分かった。じゃぁね…」 別れるのにこれ以上何を話すのだろうと思いながらも僕はそれから何も言わず家に帰った。 家に着いたのはもう深夜だったので妻も寝ていた。 こんな大事な事やのに話した結果とか気にならんのかなと思ったが、それより妻にどう話すか考えた。 明日は日曜日。家族と1日一緒だ。 日曜日くらいしか子供とまともに遊べない為、妻に結果を話すのは夜になる。 ただ日曜の晩になっても僕は何故か妻に話せなかった。 それは彼女に月曜話そうと言われていたから何かまだ話に続きがあるのかもしれないと思ったからだった。 妻も何故か何も聞いてこなかった。 何故何も聞いてこないのか分からないがたぶん僕が自分から話すのを待ってるんだろうと思い、あえて月曜日もう一度彼女と話す事だけ伝えた。 妻は気のすむまで話したらいいと言ってくれた。 そして月曜日を迎えた…
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