愛する者の為に…

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僕は驚いたが、自然と抱き締め返して頭を撫でていた。 そして彼女は別れを選んだ本当の理由を話してくれた。 「私が愛してるのは龍二だけ… でもパーキングで彼氏に見られて追いかけて話した時、彼氏が二股だと疑ってもし二股なら龍二に制裁を加えるって… 私が好きな人がいるって言ってしかも相手は奥さんも子供もいるって余計な事まで言ってしまったから彼氏は直接龍二にじゃなく家族に手を出すって… だからそれが怖くて…」 「…」 僕は黙って最後まで聞いた。 「だから私さえ龍二と別れて彼氏といれば龍二も龍二の家族も幸せに過ごせると思ったから… 付き合う前の状態に戻って会社で龍二の姿を見るだけでもいいって… それで我慢しようって…」 彼女の目にはきれいな涙が浮かんでいた。 僕は彼女に黙っていた事全てを話した。 「真由美…ありがとう。 でももう付き合う前の状態には戻れない… お前が彼氏と別れるって言った日、俺も嫁さんにお前の存在と俺の気持ち全部話した。 離婚するしないまで話が進んでる。 今日もお前と話してくるって言ってあるし。 お前が別れたら責任とるつもりだった。」 「えっ?何でよ… 離婚は絶対ダメ!子供どうするの? 子供には全く罪はないよ? 全部龍二を好きになった私が悪い。 それに私は彼氏とは別れられないの… だから絶対離婚しないで!」 彼女はすごく焦った様子で話していた。 「分かった。離婚はしない。 でもこれからどうするん? 俺と別れて彼氏んとこ戻るんか?」 彼女は少し考えて首を横にふった。
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