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「もしもし…」
「もしもし。」
僕は洗面所にいたがすぐ近くでなおかつテレビ電話なので彼氏の声が鮮明に聞こえてきた。
「真由美、俺が滋賀におるからってどうせあいつとおるんやろ?」
「いないよ?
もう会わないって言ったやん。」
「俺の事好きか?」
「…好きだよ」
彼女のその言葉が本当か嘘かは分からないが、僕はちょっとだけ嫉妬した。
彼氏に好きだよって言うのは普通の事…
でも僕はその言葉を聞いて気持ちが落ちていた。
彼氏はさらに話を続けた。
「なら真由美、画面に部屋全体映して。」
彼女は歩きながら部屋を映しているようだ。
「次はベランダ。」
彼女がベランダに出る音が聞こえた。
「じゃぁベランダから部屋の中全体」
僕は洗面所にもくるかと焦ったが来ずに終わったのでホッとした。
それからもテレビ電話がしばらく続いたので僕は息を潜めていた。
途中僕は
「俺こんな狭いとこで何してんねやろ…」
と思ったりしたがとりあえず電話が終わるのをひたすら待った。
30分程してやっと終わり、彼女が洗面所にいる僕の所に来た。
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