終わりに向けてのスタート

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彼女の様子がおかしいので僕は携帯の画面を確認してみた。 「ここの位置もしかして…」 GPSの反応はマンションを示していた。 完全に待ち伏せされている… 「何で…GPS切ってたし、仕事終わったって連絡してないのに。 龍二…怖い…怖い…」 彼女は酷く怯えていた。 手だけしか震えてなかったのが体全体が震えるようになってきた。 「大丈夫!大丈夫やから!」 僕は彼女を抱き締めてとにかく落ち着かせた。 「怖い…」 まだ震えている彼女に抱き締めながら僕は言った。 「真由美、お前そんなに怖いならもう別れろ… 責任はとるから。 だからそんなお前を怖がらせるような奴と一緒にいる必要ない」 僕は初めて彼女に彼氏と別れろと言った。 それと同時に、彼女とずっと一緒にいる覚悟と家族との別れを覚悟した。
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