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僕は人工生命体(ホムンクルス)のクルス。名前の由来は察してくれ。
僕の体格は線の細い男子高校生くらいで、容姿はまあいい方。それと色素が抜け落ちてしまったような白いボサボサの髪、そして髪から抜け落ちた色素を煮詰めてドロドロにしたような黒目が特徴。
そんな僕は5年前にとある博士によって生み出された。
僕の一番最初に見た光景はカプセル(成人男性2人が入れるほどの大きさがある試験管のようなもの)に満たされた薄気味悪い緑色の液体であった。
液体の、しかもカプセルの中と言う閉鎖された空間でパニックになった僕はその液体を間違って飲み込んでしまった。
後で知ったのだがこの液体。勝手に酸素などを体内に取り入れてくれる優れものらしいのだが、生まれたて(笑)の僕がそんなこと知るはずもなく、呼吸はできないし液体を飲み込むしで溺れてしまった。
苦しんでいる僕に気づいた博士がカプセル内の液体を排出して助け出してくれなければ生まれて十秒で溺れ死ぬと言うファインプレーをするところだった。
死にかけながらカプセルを出た僕に爆笑しながらもタオルを差し出す博士。この博士、博士と言うだけあって頭がいい。
それに超が付くほどの天才で、僕のような人工生命体を創り出すだけでなく、魔法が当たり前にあるこの世界でオリジナルの魔法をいくつも創ったり、あらゆる科学技術を一人で数十年以上進めたりする事の出来る頭脳の持ち主であった。
液体でずぶ濡れの僕に自己紹介ついでにドヤ顔で自分の偉大さを語る博士。そんな博士によって生み出された自分には一体どんな能力があるのかとワクワクしながら聞いてみた。
『能力?何それワロスw』
僕はカプセルに閉じこもった。
いや、うん。魔力は持ってたよ?普通位の魔力量だったけどね。
さらに身体は色々な都合があり貧弱である。小学生と喧嘩したら負けるんじゃないの?ってくらいには貧弱。
だが僕の目はありとあらゆる魔力の流れを"見る"事ができる優れもの。見え過ぎて疲れるレベルだが。
そして最終兵器として最大で周囲10kmの物を消滅させる自爆機能が付いている。
それもう僕が人工生命体じゃなくてもよくない?人型の爆弾とかの方がしっくりくるよ?
簡単にまとめると僕は、天才博士が創った人工生命体であるが魔力の流れが見えるだけの貧弱体質人型強力爆弾である。創った意味(涙)
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