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いまだ歓声の途絶えぬ中、武器屋に入った翔太の目の前には、眼帯をしたいかにも戦闘職の男がカウンターに立っていた。
男「見事な剣さばきだったな」
翔太「いや、あんたがこの刀を投げてくれたおかげだよ」
途端に男はニヤリと笑い、話し出す。
男「いやあ、実はあれも賭けだったんだ。その刀、いわくつきだからよ」
驚いた。この男にも自分は試されていたのかと思うと
男「その刀は、抜くだけで所有者に呪いをかけ、殺す。あんたが抜いても死ななかったってことは、刀があんたを認めたんだろうな。試したお詫びに、その刀タダでやるよ。なんかかなりのレアもんらしいからな」
確かに、アイテム欄での表示は(妖刀 共鳴 レア度10)と書かれている。ただ説明欄には、これといったことは何も書いていない。
ならあの最後の一撃は…などと考えていると
男「うちの武器屋をこれからも使ってくれ。俺はザザラだ。NPCじゃねえよ」
男から名乗ったので、翔太も名乗ることにする。
翔太「俺はフォックス。よろしくな」
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