21人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前……、どうしてここに……?」
答えのわかりきった問いを投げ掛ける。
彼の腕には冴子の腕が絡み、反対側の手には見慣れた柄の買い物袋。
どうやら彼は、俺と会うためにこの家を訪れたようだ。
「いや……、突然来て悪かった。
けど、少しだけフライングだったかもな……。」
彼のその言葉によって、絡んでいた冴子の腕がゆっくりと解かれていく。
俺の目を見られず、その場で俯き黙ったままの冴子。
きっと彼女は、まだ俺が帰宅していないと思い込んでいたのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!