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だが、この空間はいたって静かだった。
ぞれぞれの個室に罪人がいるかどうかはわからないが、ここは、うめき声や叫び声等は全くない
沈黙につつまれていた、グランはリノンが上がってくると彼女に手をかした。
リノンはフードから出た髪を頭の後ろでしっかりと結び直して外に出ないようにしていた、それを見てグランが、
「悪いことは言わん、その長い髪を短くした方がいい…目立ってしまうし、特定されたら君の身に危険がおよぶ」と声をおさえて言った。
「いやよ、こんな仕事するつもりなかったし。それより制御室にはどう入るの?」
リノンは強情に忠告を拒んで首をふったがグランは今日という日を切り抜けたら、今後も組む仲間として、帰ったらナイフかなんかでさっぱり切ってしまおうと思いながら銃口に黒い減音器がついた、サイレンサーハンドガンを握りしめて制御室への侵入方法を言った。
「ノックするだけさ」
そして、薄暗いコンクリートでできた通路を足音をほとんどたてず素早く進んで行った。
「ノックって……敵が出て来るじゃない!?」
「…あぁそうだ、援護を頼む」
と言ってグランは、さっそく制御室の扉のそばまで行った。
リノンは小声で分かった、と不安気にか細く言ってグランの背後に回って待機した。
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