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第二章四話
保健室の先生は出払っていた。
そのため蓮也と琥珀は昏倒しているクラスメイト――早沙希美香(ささきみか)を、先生が戻ってくるまでの間見守ることになった。
つまり蓮也と琥珀は一つの部屋で、事実上二人きりとなっている(早沙希美香は寝ている)。
琥珀は内心の喜びと緊張を面に出さないようにしていた。
いまはそんな場合じゃない。
昏倒している早沙希美香の額に手をあて、状態を診断、分析する。
「…………ッ!?」
そして驚愕した。
絶句する琥珀を見た蓮也が、「どうした?」と声をかけてくる。
「……彼女、もうダメだと思う……」
「……どういう意味だ?」
訝しげな蓮也に、琥珀は言葉を重ねる。
「この子、ファントムの因子に感染されてる。次、目覚めた時には確実に〝ディパーテッド〟になってるわ……」
「〝ディパーテッド〟って……?」
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