第二章一話

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 道中、琥珀は終始無言で、蓮也も自分に起きた出来事に言葉を失っていた。  今もそう状況は変わっていない。    琥珀は室内の出入り口で、無言で腕を組み佇んでいる。    蓮也も蓮也で混乱している頭を必死に落ち着かせようと努力している最中だ。 「それで出雲さん。蓮也をここに連れてきて、どうするつもりですか?」    口火を切ったのは琥珀だ。  苛ただしげな表情で、蓮也と出雲を睨んでいる。 「どうもなにも。彼にこれから一切の事を教えるつもりだよ」 「私は反対です。蓮也には何の関係もありません」    きっぱりと断言する琥珀に、出雲は嘆息する。 「彼はもう充分にこっちの世界に足を踏み入れている。知識だけでも与えておかなければ、今後も危険な目にあっても対処出来ないだろう」 「私が蓮也を護ればそれで充分じゃありませんか」 「それが出来ないから困っているんだ。それはキミ自身がよく知っていることだろう?」    うぐっと琥珀は押し黙った。  拳を握りしめ、ぶるぶると震わせている。どうやら図星のようだ。
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