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「――ッ!?」
出雲の説明に蓮也は言葉を失った。
――円が死んでいる……?
薄々、そうなのではないか、という不安が事実として告げられ、蓮也は肩を落とした。
「……じゃあ彼女は何だ? 何で俺の背後につきまとってるんだ!?」
「いま言っただろう。彼女はアバターで、円城円はキミの姉だ。弟である円城蓮也に姉が取り憑くことに何の疑問がある?」
「そんなことを――」
求めているんじゃない。
円が死んだ理由も。
蓮也に取り憑き、奇妙な力を使う事も……。
蓮也が欲している答えを、出雲はしていない。
「思うに円さんは、蓮也の事が心配だったんじゃないかしら?」
沈黙を守っていた琥珀が口を開く。
「家族である蓮也が、死んだ円さんは心残りだった。だから蓮也に取り憑いた」
琥珀の説明に出雲は頷く。
「そう考えるのが妥当だろう。理由としては充分だ。だが疑問も残る」
出雲は蓮也の顔を凝視した。
「見るにキミは普通の一般の家庭に育った子供だ。
円城、という名前がひっかかるがまあいまは置いておこう。
――キミは本当に普通の子供か? 過去に何かあったりしたか?」
「何でそんな事を訊く?」
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