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「俺の髪は元々黒色だった。だがある日を境に、髪の色は銀色と変質した。それは今回の事に何か関係あるのか?」
「――その髪はいつからそうなったか、キミは憶えているかい?」
努めて平静な声を発して、出雲が訊ねてきた。
「正確には……。ただ、数年前交通事故にあったことがある。それを境に、髪の色は変質した」
「そうか……」
何かを悟ったように出雲は嘆息した。
ちらり、と琥珀を一瞥し蓮也に向き合った。
琥珀は顔を真っ青にし、僅かに震えていた。
「今回の一件と、君の髪の色は直接的には関係しないはずだ。それはまた別の事柄だ。
回り回って巡った因果の結果、キミは今日の事件に巻き込まれた。
我々と行動を共にすれば、君のその髪の色の原因にもやがて辿り着くことになる。
……そう、円城円が死んだ原因にもね」
「――ッ!?」
「この事件には関連性がある。円城円の死も、君の髪の色の変質も、琥珀君がこちらの世界に足を踏み入れた事も……全て繋がっているのかもしれないな」
『そこまでにしてもらおうか、出雲』
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