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「それには及ばないよ。いまからその薬の摂取を止めれば、倒れる事はない。禁断症状が現れるかもしれないが、それは自身の浅慮を呪え。
それよりも、佐々木美香は『コレ』をどこで手に入れたと言っていた?」
「…………美香は、駅前で先輩にもらったって言ってた。この学校ってバイトは基本禁止だろ? だけど、やっぱり中にはバイトやってる奴もいるんだよ。美香は、そのバイト先の先輩から渡されたらしい」
「ふぅん、成程ね。そのバイト先っていうのは分かるかい?」
「いや、知らねえ……」
出雲はもう一本、ナイフを作り出して刃をちらつかせる。
「ほ、ほんとだって! 本当に知らねえんだよ! まだ付き合って日が浅かったんだっ! 知らないことの方が多かったくらいなんだよ!」
焦った竜二を見て出雲は、それもそうか、と思った。
まだ一学期が始まったばかりというのを失念していた。
しかし――
「……昨今の高校生っていうのは、みんなこんなものなのかい? 相手のことを良く知りもせず、良く付き合えるね」
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